家を建てて失敗した1位は収納!やっておきたい収納リフォームの優先順位は?

収納が足りない、家が片付かない、でもどこを改善すればいいの?収納に関する悩みは尽きません。実は家を建てて失敗した設備・場所ランキングの1位も収納です。今回は、収納リフォームを数多く手掛けてきた一級建築士が、すっきり片付く家にする!優先順位が高い収納リフォームのコツをご紹介します。

家が片付かない2つの原因

※おうちパレットの調査より、うちもメディアでグラフを再構成しています。

注文住宅に関するアンケート/おうちパレットによる調査 
https://nexer.co.jp/ouchipalette/chumonjutaku_survey/

家が片付かないと悩んでいる人の家をたくさん見てきました。リフォームでも収納を増やしたい、改善したいという要望は多いのですが、実はそこには共通した2つの大きな原因があります。


1つめは、収納の絶対量が足りないことによるものです。


特に築年数が古い家は、床面積に対して収納面積の割合が小さいため、モノが入りきらない、どうしても散らかってしまうといったことが起きます。


家の設計手法は時代と共に変化をしています。以前の設計では、イマドキの暮らしではあるべきところに収納が無い家もあり、片付けたくても片付けができない状況に陥っていることが少なくありません。


2つめは、収納の使い勝手が悪いことによるものです。


ひと昔前の収納計画は、とにかく収納量の確保が第一。そのために奥行きが深い押入れタイプが多かったり、使う場所から遠いところに納戸が作られていたり。


そのせいで内部の整理整頓ができずに、モノが行方不明になったり、出し入れが面倒なのでつい出しっ放し入れっ放しになったり。収納面積はあるのに片付けがしにくい状況に陥ってしまうのです。

家を建てて失敗した1位は収納

昔の家だけでなく、新築でも収納問題は起きています。注文住宅に関する調査(※1)によると、失敗した設備・場所ランキングの1位はなんと収納・クローゼットでした。そしてその理由として多くの人が「収納不足」を挙げています。


ただし本当に収納が不足しているかというと、そうとも言い切れません。中には、収納効率が低かったり、使い勝手が悪かったりすることで、面積にはゆとりがあるのに片付けがしにくいケースもあります。


家の散らかりを解消するには、収納を増やすだけでなく、収納効率や使い勝手を改善していくことも必要なのです。


(※1注文住宅に関するアンケート/おうちパレットによる調査)https://nexer.co.jp/ouchipalette/chumonjutaku_survey/

収納に一番困っているモノは?

そこでわが家の収納を改善して、家の中をすっきりと片付けるために!まずは散らかりの大きな原因となっているモノと場所から対策しましょう。


収納に関するアンケート(※2)によると、収納に困っているモノのダントツ1位は「衣類」です。これは他のアンケートでもほぼ同じ結果が出ていて、私のところに寄せられる収納リフォームの相談の中でも、多いのはやはり衣類に関することです。


衣類は1着購入したら1着処分するのであれば増えることはありませんが、なかなかそうはいきません。また季節ごとの衣替えや、子どもたちが大きくなったり、流行が変わったりすれば買い替えも必要です。


クローゼットは他の収納に比べて、中に入れるモノが増えやすく、また変化が激しい場所です。最初からぎりぎりのスペースでは、後になって足りなくなってしまうことに。ゆとりをもって計画をする必要があります。


加えて、制服やスーツなど1回着たら汗などが付いているため、クローゼットに入れる前にどこかに一時掛けをしておきたいもの。そのためのスペースも用意しておく必要があります。


これらの計画がしっかりされていないと、あちこちにハンガーを引っかけたり、ハンガーパイプを買い足す必要があったり。クローゼットの中もぎゅうぎゅう詰めで、しわになる、虫が湧きやすいといったことになってしまうのです。


(※2収納に関するアンケート/長谷工グループブランシェクラブによる調査)https://www.haseko.co.jp/branchera/enquete/article/enq-vol22-report.php

収納に一番困っている場所は?

収納に困るモノは「衣類」ですが、多くの人が収納に困っている「場所」もあります。


収納に関するアンケート(※2)によると、片付けが行き届かない場所の1位は「リビング」です。実はこれも納得の順位。これも他のアンケートでもほぼ同じ結果が出ていて、収納を新しく設置するリフォームではリビングを希望する人が多くなっています。


リビングは家族が集う場所です。人が集まるところにはモノも集まります。でもひと昔前の家ではリビングに収納が無いことも。これはリビングが昔、応接間だった頃の名残りです。以前の住宅設計ではリビングに飾り棚は設置しても、収納はないことが多かったのです。


収納に困るモノ1位の「衣類」、困る場所1位の「リビング」、この2つは収納計画の永遠のテーマともいえます。まずはこの2つを改善するように考えていくと、家の中がかなりスッキリします。

パイプ長さで有利な壁面クローゼット

まずは「衣類」をすっきり片付けるクローゼット計画からご紹介しましょう。


ハンガーが外に出てきたり、クローゼット中がぎゅうぎゅう詰めになってしまったりするのは、ハンガーパイプの長さが不足しているから。


空いた壁面があったら、そこに「壁面クローゼット」を作るリフォームをしましょう。壁に沿って平行にパイプを取り付ければクローゼットの完成です。


その際は、衣類を守るための扉を付けることを忘れずに。オープンタイプのクローゼットは、ホコリによる汚れや紫外線による色あせなどが起きやすくなります。


壁面クローゼットはハンガーでの収納効率が高く、押入れの幅と同サイズなら、パイプの長さは1.6~1.7mとなり、薄手の衣類なら40着前後、厚手の場合はその半分程度を掛けることができます。上下2段にパイプを取り付ければその2倍の量が収納できます。


小部屋タイプの「ウォークインクローゼット」は、大物などをまとめて収納することができますが、通路の分の面積が必要になるため、面積当たりのハンガーでの収納効率は壁面クローゼットのほうが上回ります。


現在ウォークインクローゼットがあり、衣類が収納しきれていない場合は、壁面クローゼットを新たに設置するリフォームを検討してみるといいでしょう。


壁面クローゼットの作り方には、大工さんで作る木工タイプ、扉や棚などのパーツを組み合わせて設置するシステム家具タイプなどがあります。


ローコストにリフォームをしたい場合は、大工さんに壁とパイプ、扉を設置してもらい、内部の引き出しなどの細かい作りは既製品を利用する、DIYで作るなどの方法があります。


押入れをクローゼットにしたい場合は、奥行きの活用をしましょう。押入れの奥行きは90㎝あり、そのまま衣類を収納するには深すぎます。クローゼットの奥行きは55㎝~60㎝です。


そのままではデッドスペースができますので、パイプを前後2列に取り付ける、裏側から30㎝の収納を作って奥行きを60㎝と30㎝に分けるなどのリフォームの工夫で、収納効率を上げましょう。

部屋をまるごとクローゼットに

和室など、あまり使っていない部屋があったら、思い切って部屋をまるごと大型クローゼットにリフォームするのもおすすめです。例えば、押入れを加えて8畳の和室なら、4畳のウォークインクローゼットと4畳の畳コーナーが作れます。部屋全体を大きなドレッシングルームにするのもいいでしょう。


ウォークインクローゼットのメリットは、スーツケースやゴルフバッグ、キャンプ用品などもまとめて収納できるところにあります。


空き部屋をクローゼットにする際に注意をしたいのが、鏡と着替えスペースとの連携です。寝室に繋がっていれば着替えがしやすいですが、廊下やリビングから入る場合は、着替えの場所まで衣類を持って移動することになります。


クローゼットを計画する歳は、必ず着替えスペースと連携させること!これも片付けをラクにする大きなポイントです。面積が広い場合は内部に鏡を取り付けて、そこで着替えができるようにしておくと便利です。

他にも、階段下や小屋裏スペースなどをクローゼットにリフォームすることが可能です。家の中の空きスペースを探して、クローゼットとして活用しましょう。

パーツで効率も生活の質もアップ

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https://www.ikea.com/jp/ja/

もう収納面積は増やせない、そんな時は今あるクローゼットの効率を上げましょう。


クローゼットは内部のつくりが重要です。四角い空間にただパイプが付いているだけでは、どこに何があるか分からない、デッドスペースが多いのでせっかくの収納が活かしきれていないということに。中にはほとんど着ない衣類が紛れていて場所をとっていることもあります。


クローゼットは、引き出しや棚などのパーツを上手に使って空間をムダなく活用しつつ、整理整頓をしやすくしておけば、出し入れがラクになるのはもちろん、本当に必要な衣類だけを選別しやすくなります。


考え方のお手本はバッグの中です。化粧品はポーチに、お金はお財布に入れるように、クローゼットの中も種類別に居場所が定まっていれば、片付けや出し入れがしやすくなります。


まずは衣類を種類別に分類し、ワイシャツは専用の棚に、パンツは専用ハンガーにといったように、パーツを使ってブロックで分けて収納しましょう。クローゼットの専用パーツには、小物や着物用の引き出しもあります。モノの居場所が定まれば、いつも美しく使いやすいクローゼットになります。


クローゼットのリフォームをした人の多くが、リフォームをきっかけに衣類の断捨離ができた、以前よりもおしゃれを楽しむようになったと言います。


ぎゅうぎゅうに詰め込まれたクローゼットの中は、お気に入りのモノもそうでないモノもごちゃまぜの玉石混合の状態です。大事なことは、大切なモノを見失わないようにしておくこと。


パーツで整理整頓をして居場所を決めておけば、片付けがラクになるのはもちろん、自分にとって本当に価値あるモノを見失うことがなくなり、暮らしの質も自然と向上していくことでしょう。

リビングはデッドスペースを活用

次に、収納に困っている場所1位の「リビング」の収納計画をご紹介しましょう。


リビングはとにかくモノの種類と数が多い部屋。家族がさまざまなモノを持ち寄って集まる場所です。にもかかわらず各個室にしか収納が無ければ、ついリビングに置きっ放しに。


リビングには大きな収納が必要です。最近の注文住宅ではリビング納戸、リビングクロークなど、小部屋タイプの大型収納も人気になっています。


壁面収納と低い間仕切りの組み合わせでリビングの収納力が大幅にアップ。豊富に揃ったパーツを組み合わせて作るシステム収納(ギャラリー収納)
https://galleryshuno.co.jp/


リフォームで取り入れやすいのは、リビング内の未活用空間を有効利用する方法です。特に注目をしたいのがテレビ周りです。テレビが設置してある壁面は空いていることが多いので、そこを収納として活用すしましょう。


こちらの写真は、リビングにシステム収納を取り付けた施工事例です。ダイニングとの境界にもアイランドタイプの背の低い間仕切り収納を設置。リビングとダイニングの一体感はそのままに、さりげないゾーニングでリビングの収納を大幅に増やしています。


システム家具のメリットは設置期間が1~2日と工期が短く、リフォーム向きであること。また面材が豊富なのでインテリアに合わせて美しくセッティングできるところにあります。


システム家具は自分にとって必要なパーツを組み合わせて作ることができるので、引き出しを付けたり、扉を付けたりなどが自在にできます。オープン棚にしてカゴやトレイなどをセットすれば、日常使いのモノの一時置きスペースも作れます。

扉の中はDIYでリフォームする手も

壁面収納は、大工さんによる木工事タイプで作ることもできます。


空いている壁面に収納分の奥行きを取り、大きな扉を設置すれば完成です。内部はDIYで造作するのもよし、既製品の収納セットを組み込むもよし。扉は引き戸にすると場所を取らず、開けっ放しでも邪魔になりません。アクリルパネルなど半透明の素材を使った扉なら、圧迫感も軽減されます。


壁面収納にデスクを組み込めば、ワークスペースや宿題コーナーも作れます。使う時だけ扉を開け、仕事が終わったら扉を閉めて。デスク周りを隠せるのでリビングがすっきりします。


リビングのとなりにあまり使っていない和室があるなら、一部をリビングから使える大型収納にリフォームする手も。半分をリビング納戸、半分をクローゼットにするのもいいですね。家中がすっきり片付くようになります。


家の中が散らかりやすい、片付けに手間が掛かると感じたら、まずは「衣類」と「リビング」から見直してみましょう。この2つは改善による効果が大きいのが特徴です。それらが片付くだけでも家の中が整いやすくなり、毎日をスッキリ美しく、そして豊かに暮らせるようになります。

PROFILE

Yuu(本名:尾間紫)
Yuu(Oma Yukari)
一級建築士事務所 OfficeYuu代表。一級建築士・インテリアコーディネーターとして、数多くの住宅リフォームの設計、工事を手掛けてきた経験から、本当に価値あるリフォーム情報をお届けします。

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