普通の窓をおしゃれに変身!たった半日の窓リフォームで結露や目隠し対策も

いい窓が付いている家はとても快適です。でも、窓のリフォームは大変そうと諦めていたり、気付かないまま見逃してしまっていたり。実はイマドキの窓リフォームはとても簡単。今回は、手軽にできて毎日がもっと快適になる窓リフォームのアイデアをご紹介します。

日本の家の窓の困りごと

築年数が経った日本の家で多く使われているのは「引き違い窓」。しかも性能が低いことが多いので、暮らしの中でさまざまな困りごとが生まれています。


よく聞く窓に関する悩みには次のようなものがあります。


・窓ガラスや枠の結露がひどい

・冬になると窓のそばが寒い、暖房費がかさむ

・夏は日差しが暑い、エアコンが効きにくい、電気代がかさむ

・外からの視線が気になってくつろげない

・外からの騒音や、外への音漏れが気になる

・空き巣の侵入など、防犯面で不安がある

・窓の開け閉めに不便を感じている

・風通しがしにくい

・デザインにおしゃれ感がない  など


これらの困りごとは、窓リフォームのちょっとした工夫で解決できます。でも窓リフォームというと、手間が掛かって大変そうと諦めていたり、窓の大切さを知らないまま見逃してしまったり。


窓が毎日の暮らしに与える影響はとても大きく、どんな窓がついているかで室内の快適性や利便性はもちろん、インテリア性や外観デザイン、生活スタイルも変わります。


キッチンやリビングなどのリフォームでも、窓が古いままでは本当に快適にするのは難しいもの。暮らしはじめてから「やっぱりやっておけばよかった」と後悔することが少なくないのです。


イマドキは短時間で完成する、手軽な「リフォーム用の窓製品」がたくさんあります。窓リフォームは手軽で効果が大きいのがメリット。


リフォームの際には窓も忘れずに計画に入れましょう。また大掛かりなリフォームをする前に、まずは窓から見直してみるのもおすすめ。毎日がもっと快適に素敵に変わります。

手軽な基本の窓リフォーム5つ

窓リフォームには様々な方法があります。今の窓を上手に活かすリフォーム方法なら、工事時間は1時間~半日程度。ここでは手軽にできる、基本の窓リフォーム5つの方法をご紹介しましょう。


1.ガラスに機能性フィルムを貼る

手軽にできる、基本の窓リフォーム1つめは、窓ガラスに「機能性フィルム」を貼る方法です。基本の5つのリフォームの中では一番価格が安く、キレイに剥がすことができるので賃貸住宅(※1)でも使えます。


窓フィルムには様々な種類があり、災害時のガラスの割れの飛散防止を基本として、紫外線を跳ね返すUVカット、ガラス破りを防ぐ防犯、夏の暑さを防ぐ遮熱、冬の暖気を逃しにくい低放射、外からの視線を遮る目隠し、ガラスに集まる虫を減らす防虫などの効果を持つものもあります。


窓フィルムはDIYで貼ることもできますが、熱割れ(※2)と呼ばれるガラスの割れを防ぐために、また美しく貼って正しく効果を発揮するためにも、専門業者に依頼することをお勧めします。


工事時間は掃き出し窓1セットで1時間程度が目安です。


分譲マンションの場合はフィルム施工の可否について管理組合に事前に確認を行い、熱割れが起きた際の修理費用の負担についても確認をしておきましょう。


(※1管理会社に必ず確認を取りましょう)

(※2日射が当たることでガラス内に温度差が生まれ割れが起きる現象)


2.高性能ガラスに交換する

1枚ガラスから、遮熱、断熱、防露、UVカットの効果がある複層ガラスに交換することができます(アタッチメント付複層ガラス/YKK AP)
https://www.ykkap.co.jp/
https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/glass_attachment

2つめは、窓枠や框(ガラスをはめ込んでいる縁)はそのまま、ガラスだけを高性能の複層ガラス(2枚ガラス)に交換する方法です。


昔の1枚ガラスのままでは暑さ寒さは素通り状態。イマドキの高性能住宅では、2枚以上のガラスを使うのが当たり前になっています。


高性能なガラスに交換すれば、室内は格段に快適に。冬の寒さや夏の日射熱を遮る機能を持つLow-E複層ガラスや、ガラス破りに強い防犯対策がされたガラス、目隠し効果がある不透明ガラスに交換することもできます。


工事時間は1枚あたり30分~1時間程度が目安です。


ただし窓枠や框は元のままなので古さが残り、そこの部分の結露を防ぐことはできないので注意を。また、2枚のガラス厚と空気層の組み合わせで決まる「ガラス総厚」によっては、今使っている網戸が使えなくなる場合もあります。事前にリフォーム会社に相談、確認をしましょう。


マンションでも性能向上のための窓ガラスの交換(デザインの変更は不可)が認められています。マンションによって対応が異なるので管理組合に確認をしましょう。


3.内窓を取り付ける

今ある窓の内側に取り付ける樹脂製の内窓(マドリモ 内窓 プラマードU/YKK AP)https://www.ykkap.co.jp/
https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/madoremo-plamadou

手軽にできる、基本の窓リフォーム3つめは「内窓」の取り付けです。内窓とは、今ついている窓の室内側にもう1セット取り付ける樹脂製の窓のこと。


今ある窓と内窓の間に空気層ができるので高い断熱効果を発揮し、寒さや暑さを防いで光熱費の削減もできます。また結露防止や防音効果もあるので、室内がぐんと快適に。


内窓はインテリア性の高さも魅力です。今ついている窓の内側に取り付けるので、古い窓を隠すことができ、カラーもインテリアに合わせて選べます。またガラスも自由に選べるので、高性能ガラスや不透明ガラスを使えば、更なる性能向上や目隠しをすることも可能です。


工事時間は1か所あたり1時間程度が目安で、マンションにも取り付けがしやすい製品です。


ただし窓を2回ずつ開け閉めする必要があるので、ひんぱんに開閉する窓では少し面倒に感じることも。また窓の形状によっては取り付けできないこともありますので、事前に確認をしてもらいましょう。


4.カバー工法で外窓を交換する

カバー工法を使えば、壁の工事をしないで窓を新しくできます(マドリモ断熱窓戸建用/YKK AP)https://www.ykkap.co.jp/
https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/madoremo-kodate

手軽にできる、基本の窓リフォーム4つめは「カバー工法」での外窓交換です。


リフォーム用製品の中でも特に大きく進化をしたのが、窓の交換リフォーム。以前は、窓を新しく交換するとなると、外壁や室内側の壁紙の補修などが必要になり、1週間以上かかっていました。


現在は、今ある窓枠の上から新しい窓をかぶせるカバー工法を使えば、工事時間は約半日で完成。外壁や壁紙の補修も不要です。室内側から取り付けられる製品もあり、外に足場を組まなくてもいいので工事費用も抑えることができます。


カバー工法なら手軽に最新の高性能な窓の取り付けができ、また同じサイズ内であれば、引き違い窓を風通しのいい連窓にするなど、開閉方法を変更することもできます。


ただし、前よりも窓枠が太くなりボリューム感が出るので、デザインの確認を忘れずに。窓枠を細くしたり、窓の大きさや位置の変更をしたりする場合は、壁の補修工事が必要になります。


マンションでも、窓の性能向上を目的とする「カバー工法での窓交換工事」が認められる時代になっています。これもマンションごとに対応が異なるので、管理組合に確認をしてみましょう。


5.後付け製品を使いこなす

雨の吹き込みや日よけ効果がある後付け用箱型ひさし(キューブシェード/YKK AP)https://www.ykkap.co.jp/
https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/exterior/cubeshade
 

手軽にできる、基本の窓リフォーム5つめは、欲しい機能に合わせて窓のまわりに「後付け用の窓まわり製品」を取り付ける方法です。


例えば、防犯対策をしたいなら「防犯用面格子」、外からの視線や夏の暑さ、急な雨の吹き込みを防ぎたいなら「日よけ」や「ルーバー」、災害対策や台風時の窓ガラスの割れを防ぎたいなら「シャッター」や「雨戸」の取り付けをするといいでしょう。


選ぶポイントは後付けがしやすい製品を選ぶこと。こういった製品には「後付け用」と「先付用」、「両方に対応」できるものがあり、後付け用製品なら最小限の工事で済みます。


マンションの場合は、外壁側に製品の設置はできませんので注意をしましょう。


手軽にできる基本の窓リフォームは、1.窓フィルム、2.ガラス交換、3.内窓、4.カバー工法、5.後付け用製品の取り付けの5つです。


リフォーム費用は、窓フィルム<ガラス交換・内窓取り付け<外窓交換(カバー工法)<外窓交換(壁工事が必要な場合)の順に高くなります。ガラスの交換と内窓に関しては、選ぶガラスによって費用が変わりますので、目的や効果、予算に合わせて選びましょう。

引き違いをおしゃれなテラス戸に

カバー工法のリフォームなら、同サイズ内であれば手軽に引き違いの掃き出し窓をテラス戸+FIXにすることも可能(マドリモ断熱窓戸建用(トリプルガラス樹脂窓)/YKK AP)
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https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/madoremo-kodate

カバー工法を使った窓リフォームなら、手軽に「引き違い」をおしゃれな「テラス戸」に変えることもできます。


最近の新築住宅の外観デザインは、築年数が経った家と見比べると洗練された印象があります。海外の住宅も同じく素敵に見えます。


それらに比べて、わが家は何となく古い感じがする、洋風が好きなのに和風のイメージがすると感じている人も多いのでは?


その大きな原因のひとつが窓のデザインにあります。日本の家は、もともと障子や襖など引き戸の文化なので、窓も横長の「引き違い」が主流でした。


現在、住宅の高気密化が進んだことで、たてすべり出し窓などの「縦長の窓」を使う家が増えています。というのも、引き違いは他の窓種と比べると空気が漏れやすく、気密面で不利だから。また海外では文化の違いからやはり縦長の窓が多く、洗練された印象を作り出しています。


そこで、窓リフォームでぜひチャレンジしたいのが、引き違いを性能向上をさせながらおしゃれに変身させること。例えば引き違いの掃き出し窓も、同サイズ内であればカバー工法で「テラス戸+FIX」の組み合わせにすることができます。


テラス戸は気密性が高く、開閉がしやすいのもメリット。横長の窓から、縦長のラインが強調されたデザインに変わることで、インテリア性や外観デザインも大きくセンスアップします。

風通しのいい窓にする

外壁面に沿って流れる穏やかな風を室内に取り込むことができる窓。たてすべり出し窓2組と+FIXの組み合わせ(ウインドキャッチ連窓/YKK AP)
https://www.ykkap.co.jp/
https://www.ykkap.co.jp/info/lowenergy/products/pop_012.html?TB_iframe=true

カバー工法で風通しのいい窓にすることもできます。こちらは「ウインドキャッチ連窓」と呼ばれる風通しがしやすい窓で、カバー工法用の製品もあります。


隣家に接した面の窓は正面から風が吹きみにくいため、引き違いのままでは、風通しがほとんど期待できないことも。


そんな時は、「たてすべり出し窓2組と+FIX」の組み合わせで、壁に沿って流れる風を上手にキャッチ。室内に風が流れ込むようになるので、風通し効果がアップし、換気もしやすくなります。

丸見え窓には後付け目隠し

窓の室外側に取り付け、無段階で角度調節ができるルーバー。スラットにはアルミとポリカーボネートがあり、2種類を組み合わせることも可能(多機能ルーバー/YKK AP)
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https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/exterior/louver

窓の悩みの中でも多いのが、外からの視線に関するものです。


リビングの大きな窓はしっかり対策していても、キッチンや洗面所、階段、廊下、個室の小さな窓はノーマーク。住んでみて初めて視線が気になることが分かったという声も少なくありません。


そんな時は「後付けができる目隠し製品」を活用しましょう。工事はとても簡単で、室外側に取り付けるタイプなら圧迫感もありません。


快適のポイントは、光の取り込みや視線のコントロールがしやすい製品を選ぶこと。


スラットの角度が調節できる「ルーバー型目隠し」なら、シーンに合わせて部屋の明るさや目隠しレベルのコントロールが可能。スラットの素材も強固な金属製や、明るさを確保しやすいポリカーボネート製などがありますので、部屋の用途や目的に合わせて選びましょう。

強風や台風対策も忘れずに

雨戸付きの窓でもシャッターが3時間で取り付け可能なリフォーム方法もあります。こちらは「戸袋のこし」スタイル(マドリモ シャッター・雨戸/YKK AP)
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https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/madoremo-shutter_screendoor
こちらは「戸袋かくし」スタイル(マドリモ シャッター・雨戸/YKK AP)
https://www.ykkap.co.jp/
https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/madoremo-shutter_screendoor

温暖化の影響もあり、大型台風や竜巻などのニュースが増えています。こういった強風時に心配なのが飛来物による窓ガラスの割れ。


最近の家づくりでは、デザインと予算の関係から、雨戸やシャッターをつけない家も目立ちますが、安心して暮らすためには、ガラス面を守るための対策をしておくことが大切です。


イマドキは手軽に後付けができるシャッター製品が数多くあります。雨戸をシャッターに変えたい場合も、壁を壊さずに取り付けできるリフォーム方法があります。


窓が暮らしに与えている影響は大きいもの。窓リフォームは手軽で効果が大きいのが特徴です。見逃さずに計画に入れて、毎日をもっと快適にお過ごしくださいね。

PROFILE

Yuu(本名:尾間紫)
Yuu(Oma Yukari)
一級建築士事務所 OfficeYuu代表。一級建築士・インテリアコーディネーターとして、数多くの住宅リフォームの設計、工事を手掛けてきた経験から、本当に価値あるリフォーム情報をお届けします。

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