みんながリフォームに掛けた費用は予算の3割増し!2023年お得な補助金をご紹介
リフォームで気になるといえばやはり費用のこと。実際にリフォームをした人たちはどれくらいの費用を掛けているのでしょうか?
今回は、リフォーム経験者の予算の平均額や予算オーバーの実態、費用を抑えて上手にリフォームするコツを一級建築士がご紹介。最近問題になっている資材の値上がりによる追加問題や、2023年度の目玉ともいえるお得な補助金制度についてもチェックしておきましょう。
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予算オーバーしやすいリフォーム
リフォームをしたい!と思ってもなかなか決断しきれないことが多いもの。その大きな理由に費用の問題があります。
リフォームはかなり大きな買い物なのにもかかわらず、現状やプラン、依頼する会社によっても価格が変わり、予算を立てるのが難しい面があります。
やりたいことはあるけれどいったいいくら費用が掛かるのか?提示された金額は果たして適正価格なのか?追加が出て予算オーバーするのではないか?など不安は尽きません。
実際のところ、要望通りに見積もりをすると予算をはるかにオーバーしていたり、途中で追加が発生したりといったケースは多いもの。せっかく楽しみにしていたリフォームなのに予算を削る作業が大変だった、追加で想定外の出費があり慌ててしまったという声もあります。
住宅リフォームに関する消費者実態調査(※)でも、今後3年以内にリフォームを予定している人(リフォーム検討者)が不安に感じていることの1位は「費用がかかること」、3位は「見積もりの相場や適正価格がわからない」でした。
多くの人がリフォームの費用に対して不安を感じています。
そこで予算通りに満足のいくリフォームをするために!リフォーム経験者たちはどれくらいの予算で計画を立てていたのか?それに対して実際に掛かった費用はいくらだったのか?予算オーバーをしたのはどんなケースだったか?などをデータでチェック!事前に対策を立てておきましょう。
(※2021年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査結果報告書より。築10年以上の持ち家(一戸建て・マンション)に住んでいる人を対象としています/住宅リフォーム推進協議会調べ)
リフォーム検討者の平均予算
まずはリフォーム検討者の平均予算額から見ていきましょう。
前出の住宅リフォームに関する消費者実態調査によると、一戸建てリフォーム検討者の希望予算額の平均は265.7万円、支払える最大予算額の平均は321.6万円。マンションの場合は、希望予算額は227.0万円、最大予算額は273.9万円でした。
これは「できればこの金額で押さえたいという希望の予算」と、「追加分を考慮して最大に払えるだろう予算」の2種類を準備しているということ。その差は約50万円で、予算のおよそ2割を追加分として見ていることになります。
リフォームでは変更や追加がつきものです。ぎりぎりで計画を立てると予算がショートしてしまうことに。このようにゆとりを持たせた資金計画を立てることが、予想外の出費を防ぐ大事なポイントになります。
実際に掛かった費用は予算の3割増し
それでは実際に掛かったリフォーム費用はどれくらいでしょうか。前出の調査では、過去3年以内にリフォームをした人(リフォーム実施者)にも同様の調査を行っています。
それによるとリフォーム実施者の検討段階での予算は、一戸建てマンション合わせて平均261万円だったのに対し、実際に掛かった費用の平均は341.3万円だったことが分かりました。
その差は80.3万円で、予算のおよそ3割に当たります。つまり2割のゆとりでは予算不足に陥ってしまう可能性があるということ。
ただしこの出費は国や自治体からの補助金を含んでの総額です。リフォームには様々な補助金制度があるので、上手に使えば追加分を補てんすることも可能。中でも家の省エネ化リフォームはカーボンニュートラルの観点から国が積極的に推進をしているので、かなりお得な制度が揃っています。
どちらにしてもぎりぎりの予算で計画を立てるのは想定外の出費を招くことに。予算を立てる際には、希望予算と最大予算の2つで検討し、20~30%程度の余裕を持たせておくと安心です。
実際の費用でできるリフォーム
さて実際に掛かったリフォームの平均費用は341.3万円。この金額でどんなリフォームができるのか、おおよその目安を3パターンご紹介しましょう。
・キッチン・浴室・洗面所・トイレなど水まわり+床フローリング、壁紙など内装リフォーム
・断熱・耐震・バリアフリーなど家の性能向上リフォーム
・外壁・屋根・玄関ドア+シロアリ対策など外まわりのリフォーム
上記それぞれのリフォーム費用の目安が約300万円~です。もちろんグレードや工事内容によって費用は異なります。メリハリをつけて予算立てをすれば間取り変更も可能です。
ただし昨今、建築資材など建築費用の高騰が続いています。2023年の2月の段階で既に10%~30%ほどの値上がりが見られ、今後も更なる高騰が予想されています。リフォームを検討中であれば早めにスタートさせるほうがいいでしょう。
予算オーバーをした3つの理由
では次に予算オーバーを防ぐために!リフォーム経験者たちが予算オーバーをしてしまった3つの理由をチェックしてみましょう。
前出の調査によると、リフォーム実施者が予算を上回った理由の1位は、「予定よりリフォーム箇所が増えたから」でした。
今回はここまでと思っていても、どんどんキレイになる家を見ていくうちに、やっぱりこっちもやりたい!と思うことは多いもの。
また水まわりは一緒に工事をするとお得にできることが多いため、浴室だけの予定だったけれど洗面所も一緒に、それならトイレもといったような追加になることが少なくありません。
予算オーバーをした理由の2位は、「設備を当初よりグレードアップしたから」です。
設備選びではショールームで実物を確認することが肝心です。しかしそこにはグレードの高い素敵な製品がたくさん並んでいます。見ているうちにもっと高品質なものが欲しくなったり、便利なオプションを付けたくなったり。追加になるケースは本当に多いのです。
3位は「想定外の工事が必要となった(躯体や構造部分の補修等)から」です。
これはリフォームならではの特性といえます。解体してみたら内部の腐食があり別途工事が必要になるなど、着工後に気付くことも少なくありません。
また最近問題になっているのが、「建築資材などの値上がりによる追加」です。値上がりのスピードが従来では考えられない速度で進行しているので、当初の見積もり金額から値上がり分の追加費用を請求されるケースも。
契約時にはこういった追加の有無についても忘れずにチェック。納得のいく契約内容になっているかをしっかり確認しておきましょう。
予算オーバーを防ぐコツ
予算通りにリフォームをするために、押さえておきたいコツをご紹介しましょう。
1.リフォームの優先順位をつけておく
始まればあれもこれもとやりたくなるのが人情。予算内におさめるためには優先順位を付けておくことが必須です。何が大事なのかがはっきりしていればコストダウンもしやすくなり、後悔することも少なくなります。
2.事前調査と打ち合わせをしっかり
気づいていないけれど、本当はやっておくべきリフォームがある可能性があります。途中で気付いて変更すると割高になります。見積もりの依頼時には現場をしっかり調査してもらい、必要なリフォームの提案をしてもらうといいでしょう。
3.減税や補助金を利用する
リフォームにはお得な減税や補助金制度があります。しかし見逃している人が多いのも現状。これはとてももったいないことです。
リフォームでは性能向上工事(耐震、バリアフリー、省エネ、同居対応、長期優良住宅化リフォーム)や、一定の要件を満たした増改築等工事を行った場合、さまざまな減税制度が利用できます。忘れずにチェックしておきましょう。
かなりお得な補助金制度がスタート
リフォームの補助金事業は数多くありますが、2023年の目玉ともいえるかなりお得な情報をご紹介しましょう。
話題はなんといっても経済産業省、国土交通省、環境省の3省連携による「住宅省エネ2023キャンペーン」です。これは住宅の省エネ化を支援する新たに創設された3つの補助事業の総称で、「先進的窓リノベ事業」、「こどもエコすまい支援事業」、「給湯省エネ事業」があります。
この補助金制度は3省をまたいでワンストップで申請が可能で、特に「先進窓リノベ事業」は窓リフォームだけで予算が1,000億円と過去に例がない大きなもの。この制度は高性能な窓を選ぶほど補助金が大きくなり、窓のリフォーム1か所で最大183,000円の補助金が出るので、性能アップ分の差額以上にお得にリフォームができます。
「こどもエコ住まい支援事業」や「給湯省エネ事業」では、外壁や床の断熱、玄関ドア、食洗器、レンジフード、浴室乾燥機、宅配ボックス、キッチンの対面化、ハイブリッド給湯器、エコキュートなどに補助金が。
ただしそれぞれに条件があり、製品の指定などもありますのでしっかり確認を。また予算がなくなった段階で早期終了をするので注意をしましょう。
⇒住宅省エネ2023キャンペーン総合サイト
https://jutaku-shoene2023.mlit.go.jp/
他にも各自治体でさまざまな補助金制度を敷いていますので忘れずに活用を。リフォームの費用のことが分かれば安心してリフォームに取り組めます。しっかり準備してスタートさせましょう。